葬式の本来の目的は、
「死者と十分に別れ、温かく死者を送り出す」こと。
また、大切な人の「死」に尊厳を与え、
子ども達に「命の尊厳」を教える貴重な時間でもあります。
それが今や、そんな長年の慣習が、
いとも簡単に捨てられようとしています。

核家族が増え、世代間別居が多くなりました。
同居しない祖父母の「死」は、
家族という名の「他人の葬式」になりつつあります。
また、最近よく耳にする葬式が「直葬」です。
病院から火葬場へ、直接行く葬式のこと。
コストもかからず、面倒臭さは一切ありません。
遺体を骨に変えるだけなので、とても合理的です。

祭壇2_葬式-小


しかし、果たしてそれでいいのでしょうか。
【 葬式には4つの大きな役割があります 】
1.死に尊厳を与え、温かく送り出す。
2.死の事実と向き合い、社会的に公認の事実として告げる。
3.故人の意思、及び社会的役割を遺族が引き継ぐ。
4.周囲が遺族の心情を理解・共感することで、遺族の心の痛みを和らげる。
(※ここで重要なのは「お金を無駄に浪費する必要は無い」ということ。虚飾に満ちた葬式では、大切な役割を果たせません)

【 伝統には知恵があります 】
そこで本日は、2.の役割について考えてみたいと思います。

人間は一人で生きることができません。
そんな故人の人間関係には、
本人しか知りえない広さと深さがあります。
そして、人間が人を愛する生き物である以上、
人を喪う(うしなう)悲しみを避けては人生を歩めません。

故人と共に人生を歩んできた全ての人たちが、
その死の事実と真剣に向き合える葬式であって欲しい。
きちんと心の中で区切りをつけられる葬式であって欲しい。

あなたの大切な人の「人生の完結」としての葬式です。
業者主導で自動的に目の前から通り過ぎるよりも、
直葬や家族葬のように参列者が無いよりも、
遺族と参列者の皆で出した葬式-そんな「主体的」な葬式のほうが、きっと故人が立派に生き抜いてくれたと喜べるはずです。

大好きだった故人の死を想い、思いっきり泣き、嘆き、喚く。
お世話になった故人を偲び、最大限の感謝の気持ちを込める。
共に過ごした故人の命の尊厳を考え、精一杯の礼儀を重んじる。
そんな温かい心を形にしてくれる着物。
それが、「喪に服す第一礼装」の着物-喪服なのです。

このように受身ではなく、主体的に葬式を執り行うことで、その命が「弔う価値ある命」として扱われます。それもまた喪服を着る「意義」の一つなのです。


パナソニックの創業者-松下幸之助は言いました。
「礼儀作法は心に思うだけではなく、やはり形に表し、相手に伝わりやすくし、心と形の両面があいまった適切な礼儀作法であってこそ、はじめて生きてくると思うのです」と。


・゜☆・゜・ 。☆ ・゜・☆。・゜。・゜☆・゜・ 。☆ ・゜

◎えり正ホームページはこちら
◎えり正店主のつぶやき@twitter
◎着物を通じ、家族の幸せを。@Amebaブログ
◎喪服を通じ、子どもに命の大切さを。
◎振袖を通じ、幸せな成人式を。@神戸ブログ
◎マイミク募集中~@mixi
・゜☆・゜・ 。☆ ・゜・☆。・゜。・゜☆・゜・ 。☆ ・゜
  



「葬式の大切さ」が分かり易く学べる本です。
「お葬式」はなぜするの? (講談社プラスアルファ文庫)「お葬式」はなぜするの? (講談社プラスアルファ文庫)
著者:碑文谷 創
販売元:講談社
発売日:2009-07-21
クチコミを見る