着物こそが日本人の正式な礼装です。

その理由は1つ。礼装の着物には、あなたが先祖から受け継ぐ「 家紋 」が付いているからです。

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「着物は家紋」だと、よく言われるように、五つ紋付きの着物だと「第一礼装」。そして、三つ紋や一つ紋付きの着物だと「略礼装」となります。礼節を重んじる日本人が、礼装のTPOの基準にするほど、家紋はとても大切なものでした。



【 家紋 ・ 女紋 】を知る。
家紋

家紋を考えること。
それは、あなたの先祖や両親、家族との絆を考えること。

紋章は西洋・東洋を問わず、人物が所属する社会集団の“標識”として機能していました。日本では、明治時代まで庶民は姓を名乗ることを許されておらず、家系や血筋を表す標識でした。また、先祖を中心にして家族が心を一つに結束できていたため、家紋は先祖を意識させてくれる家のシンボルだったのです。

大切な日に、同じ家紋を付けた着物を親族みんなで羽織ることで、共通祖先意識といえる連帯感が生まれ、血縁の絆を確かめ合うことができました。そして、同じ先祖を背負うことで、一族の名に恥じぬように礼節を尽くす気持ちで臨み、儀礼性を高めることができたのです。


【 関東と関西の風習の違い 】を知る。
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家系を重んじる関東と、血筋を重んじる関西では、家紋の文化が大きく異なります。【 関東 】では、着物や嫁入り道具には実家の父親の家紋‐男紋(父方の祖父→実父→娘)を付け、【 関西 】では、男性から男性へ継承する男紋(父方の祖父→実父→息子)とは区別して、女性から女性へ継承する女紋(母方の祖母→実母→娘)を、着物や嫁入り道具に付けることが一般的だと思います。

嫁入り先の義父母が誂えてくれた着物以外は、基本的に「娘が生まれた家-実家の紋」を着物につける。相手方の紋を使用しない風習は東西に共通しているようです。


【 男紋(家紋)と女紋の違い 】を知る。
男紋と女紋

左が「違い鷹の羽」の男紋。右が「五三の桐」の女紋です。

男紋は大きく(直径2.7cm)・力強い紋章・外輪の〇がある。
女紋は小さく(直径2.0cm)・優しい紋章・外輪の〇が無い。
(※男紋に〇が無い、女紋に細輪の〇がある場合もあります)

家紋は石持(こくもち)の上に描かれています。昔の男性は「土地は男が守るもの」という気概もあって、男紋の外輪の〇で残す石持は土地を表現しています。それは、武士や農民の給料の大きさを表現する「石高(こくだか)」から由来しているようです。

【 石持・こくもち 】を知る。
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この小さな石持の中で、様々な紋章をデザインします。
家紋の種類は、最低でも2万種以上、人によっては30万種以上の家紋が日本に存在すると言います。わずか数cmの世界に魅了され、これだけ豊富なデザインを生んだ昔の日本人は、ただ単純に「凄い」としか言いようがありません。
ちなみに、ルイ・ヴィトンのモノグラムは、1867年のパリ万博に参加した日本の「葵の御紋」を見て閃いたそうです。現代のヴィトン好きの日本人を見ていると、家紋を大切にしてきた遺伝子なのかな、と思えてきます。


【 家紋 ・ 女紋 】の役割を知る。
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家紋とは礼装の核であると同時に、親子の絆を考え、家族の結束を構築したいと願う、先人たちの知恵でした。

しかし、家族や地域の共同体の中で、お互いが助け合う「互助の関係」が失われつつある現代の日本社会。そして、多くの人々が絆やつながりへの渇望を感じつつも、それを叶えられない現代の日本人。テレビの報道を見ていると、そんな「孤独」が引き金になった事件や犯罪は少なくありません。

人の和を尊重し、地域の秩序を守り、心の絆を大切にしてきた日本人。「孤独」とはそんな“和の精神”の対極の位置に存在しています。そんな個を尊重し、自由を謳歌する現代社会だからこそ、先人たちが大切にしていた“和の精神”を学ぶべき時期がやって来たのかもしれません。

“和”や“絆” を築く知恵の一つ‐家紋の役割を知ることで、

あなたは「家族の絆」を築けるかもしれません。
あなたは「両親の心の温かさ」に気づけるかもしれません。
あなたは「周囲からの信頼や敬意」が手に入るかもしれません。

それでは、そんな家紋に与えられた大切な役割を、5つの視点から考えていきたいと思います。

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