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(前ページより続く)

「宗教という言葉は、キリスト教を意識して生まれた訳語」
キリスト教

日本人の私たちは、宗教と聞くとすぐに「教祖様がいて、厳格な教義と壮麗な教会がある組織」をイメージします。
その訳は、宗教という言葉が生まれた背景にありました。
明治維新の直後、「信教の自由」を迫る欧米列強国と、不平等条約を解消したい日本政府。しかし、天皇中心の国家神道を国民に浸透させたい政府は、「神道は宗教ではない。だから、天皇を国民に崇拝させても『信教の自由』には抵触しない」というスタンスを打ち出しました。

だから、日本人の心に根付く土着の信仰-ご先祖さまや氏神さまを祀る神道は「宗教」ではない。その上、キリスト教のような「教祖がいて、経典があり、教会がある」宗教は信じていないから、「わたしは無宗教だ」という意識が国民に広がりました。それが、今日の日本人が持つ宗教観につながっているのです。


「宗教は、日本人の日常生活に屈服し、慣習となった」
お盆

釈迦は「死後の世界を考えるのは無駄である」と述べています。そういった面では、私たちが葬式や年忌法要で執り行われる死者の浄化は、本来の仏教の姿ではありません。
しかし、それは、古くから日本人が先祖崇拝を重んじる「神道」に、仏教側が妥協して生まれた独自の信仰の在り方です。また、日本人の日常生活に合うよう生まれた知恵でもありました。

私たちの慣習やしきたりは、立派な宗教です。
「神様、神様」と言わずとも、日常の営みができる日本人。
「宗教、宗教」と言わずとも、心の支えがある日本人。

それは、身近な存在に「ご先祖さま」がいたからでした。
普段の日は、草葉の陰から子孫を見守ってくれている。
大事な日には、神のご加護を子孫に与えてくれる。
そんな心の拠り所があったからこそ、
いくら苦しい生活であろうが、家族は幸せでした。

しかし、厳格な教義もなく、布教活動も一切しなかった土着の信仰。そんな宗教が、どうやって日本中の人心に浸透していったのでしょうか。

強力な布教手段がひとつだけ持っていました。
それが「慣習」であって「しきたり」です。
(※次のページ参照)
通過儀礼、季節行事、年中行事を繰り返すことで、自然とご先祖さまと接することができる。そして、ちゃんと慣習を執り行う親の背中を見て、その子どもは親や先祖の心をしっかりと受け継ぐ。そんな心の伝承、つまり、布教活動が日常生活の中で、自然とできていた訳なのです。


「ご先祖さま-それが日本人が信仰する中心」
墓参り

日本人は、死者を神の一種である「ホトケ」と呼びます。
そのホトケさまをちゃんと供養することで、家族が信仰する神=ご先祖さまとなり、地域住民が信仰する神=氏神さまとなりました。

ご先祖さまや氏神さまを信仰することで生まれる、家族や地域の絆。それこそ、先人たちが大切にしてきた「日本人の精神」でした。

報道番組を見ていると、悲しいというより、寂しく感じるニュースが最近多いですよね。とくに家族や地域で起きる事件で、そう感じます。

生活の物質的豊かさや便利さなど、合理性のみを追求し続け、長年の慣習がいとも簡単に捨てられてきました。
そのツケが回ってきたのではないかと、かつての日本を知れば知るほど、私はそう思うようになりました。

もう、昔の生活には戻れません。
しかし、先人たちが遺してくれた「慣習やしきたり」の本質を知り、大切なことをちゃんとする、ほんの少しでいいから面倒臭いことをする。それだけで、先人たちが築いてきた精神的遺産-家族や地域の「和」、「まとまり」、「心の絆」が生まれる、私はそう信じています。


【人生で最も大切な通過儀礼を大切にすること】
すてきな紋_05_61ア1_1

子どもはあなたの背中をよく見ています。
先祖を大事にしても無駄だと言う他人ではなく、
あなたの子どもは、あなたを見ています。

他人は他人。あなたはあなた。
黒紋付着物(喪服)を着て欲しい、それだけが私の願いです。

故人の人生が完結する、最も大切な通過儀礼。
お世話になった人だからこそ、
最大限の礼儀を持って、葬式に臨んで欲しい。

故人へ向けるあなたの想いが強ければ、強いほど、喪服を着て欲しい。第一礼装の着物を着ることで、発する言葉より大きな「御恩返しの心」を、きっと遺族や参列者に伝えられるから。
血縁や家系を示す家紋-つまり、ご先祖さまを身にまとうことで、先祖から受け継いだ心を、きっと子どもに伝えられるから。

大切な日に、大切な人のために、あなたの心をカタチにする。
それが、家族の幸せにつながる、そう強く信じているえり正店主でした。

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【参考文献】

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